不動産と税金

買う・持つ・売る・相続する。不動産にかかる税金と、使える特例の要点を、2026年10月時点の制度でまとめました。

令和8年度 税制改正

2026年の改正で、ここが変わりました

令和8年度の税制改正の関連法は、2026年3月31日に成立しました。住宅ローン減税の延長をはじめ、住まいに関わる多くの特例が延長・見直しされています。

税金のルールは毎年のように見直されます。実際の手続きの前には、税務署や税理士にもご確認ください。

TAX TIMEと書かれた付箋を貼ったおうちの模型と、申告書、電卓、眼鏡
  • 住宅ローン減税を5年延長2030年12月31日までの入居が対象に。中古住宅(既存住宅)の借入限度額と控除期間が拡充され、床面積の要件も40㎡からに緩和されました。
  • 新築住宅の固定資産税の減額を延長2031年3月31日までに新築した住宅が対象。床面積の下限が40㎡(これまで50㎡)に緩和されました。
  • 認定長期優良住宅の特例を延長不動産取得税・固定資産税の優遇が、2031年3月31日まで延長されました。
  • 土地の売買の登録免許税を据え置き土地の所有権移転登記の税率1.5%(本来は2%)が、2029年3月31日まで延長されました。
  • マイホームの買換え・売却損の特例を延長2026年1月1日から2027年12月31日までの売却が対象です。
  • リフォーム減税を延長所得税は2028年12月31日まで、固定資産税は2031年3月31日まで延長されました。

買うとき

購入時にかかる税金と、使える特例

買うときにかかる税金と、住宅ローン減税などの軽くなるしくみをまとめました。

住宅ローンと書かれた積み木と電卓、おうちの模型

住宅ローン減税(住宅ローン控除)令和8年度改正

2026年1月1日〜2030年12月31日に入居した場合

年末の住宅ローン残高の0.7%を、最長13年間、所得税(引ききれない分は住民税の一部)から差し引けます。住宅の省エネ性能によって、対象となる借入額の上限が変わります。

住宅の種類新築・買取再販中古(既存住宅)
長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円(5,000万円)×13年3,500万円(4,500万円)×13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円(4,500万円)×13年3,500万円(4,500万円)×13年
省エネ基準適合住宅2026・2027年入居:2,000万円(3,000万円)×13年
2028年以降の入居:対象外(2027年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円×10年)
2,000万円(3,000万円)×13年
その他の住宅対象外2,000万円×10年
  • ( )内は子育て世帯等(19歳未満の子がいる世帯、または夫婦のどちらかが40歳未満の世帯)の上限です。
  • 所得要件は2,000万円以下。床面積は40㎡以上(所得1,000万円超の方と、子育て世帯等の上乗せを使う方は50㎡以上)。
  • 2028年以降の入居では、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」に新築する住宅は対象外になります(建替え等を除く)。
  • 買取再販住宅(不動産会社がリフォームして販売する中古住宅)は、新築と同じ水準で支援されます。

印紙税(売買契約書)

軽減措置:2027年3月31日までに作成する契約書

不動産の売買契約書には、記載された金額に応じた収入印紙を貼ります。いまは軽減された税額が適用されています。

契約金額本則軽減後
500万円超 1,000万円以下1万円5千円
1,000万円超 5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超 1億円以下6万円3万円
1億円超 5億円以下10万円6万円

登録免許税(名義変更・ローンの登記)

所有権の移転や、住宅ローンの抵当権設定の登記にかかります。司法書士の報酬とあわせて「登記費用」として支払うのが一般的です。

  • 土地の売買による所有権移転:固定資産税評価額の1.5%(本則2%)。2029年3月31日まで延長
  • 住宅の建物(自分が住む床面積50㎡以上の住宅など):所有権保存0.15%、所有権移転0.3%、抵当権設定0.1%。2027年3月31日まで
  • 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、買取再販住宅は、さらに軽い税率になる場合があります。

不動産取得税

土地や建物を取得したときに、一度だけかかる都道府県の税金です。購入から数か月後に納税通知書が届きます。

  • 税率は本則4%のところ、住宅と土地は3%(2027年3月31日まで)。宅地の評価額は1/2にして計算します。
  • 新築住宅は評価額から1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)を差し引けます。長期優良住宅の特例は2031年3月31日まで延長
  • 中古住宅も、新耐震基準に適合していれば、建てられた時期に応じた控除があります。住宅用の土地も軽減があります。

親からの資金援助(住宅取得等資金の贈与の非課税)

2026年12月31日までの贈与が対象

父母や祖父母から住宅を買うための資金をもらった場合、省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円まで贈与税がかかりません。受け取る方の年齢(贈与の年の1月1日時点で18歳以上)や所得(2,000万円以下)などの要件があり、翌年の申告が必要です。期限が近いので、使う予定の方は早めにご相談ください。

持っているとき

毎年かかる税金と、軽くなるしくみ

固定資産税・都市計画税

毎年1月1日時点の所有者にかかります。固定資産税は評価額の1.4%(標準税率)、都市計画税は最高0.3%です。売買のときは、引き渡し日を境に日割りで精算するのが一般的です。

  • 住宅用地の特例:住宅が建っている土地は、200㎡までの部分の評価額が1/6(都市計画税は1/3)、それを超える部分は1/3(同2/3)に軽減されます。
  • 新築住宅の減額令和8年度改正:建物の固定資産税が、戸建ては3年間、マンションは5年間1/2に(認定長期優良住宅はそれぞれ5年・7年)。2031年3月31日までに新築した、床面積40㎡以上280㎡以下の住宅が対象です。

空き家は、管理しないと税金が上がることも

2023年12月から、放置すれば危険になるおそれのある「管理不全空家」も、市区町村から勧告を受けると住宅用地の特例が外れるようになりました。土地の固定資産税が大きく上がる可能性があります。使う予定のない空き家は、早めに売る・貸すなどを検討しましょう。

リフォームをしたとき(リフォーム減税)延長

所得税:2026年1月1日〜2028年12月31日/固定資産税:2026年4月1日〜2031年3月31日

耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化・子育て対応などの性能を高めるリフォームをすると、所得税と固定資産税が軽くなります。

  • 所得税:工事の種類ごとの標準的な工事費用の10%などを控除(例:耐震は工事限度額250万円・最大25万円、省エネは250万円・最大25万円(太陽光発電を付けると350万円・最大35万円))。
  • 固定資産税:工事完了の翌年度の税額が、耐震は1/2、バリアフリー・省エネは2/3、長期優良住宅化は1/3に軽減。床面積の下限は40㎡に緩和されました。

売るとき

売って利益が出たら、譲渡所得の税金がかかります

譲渡所得と税率

譲渡所得 = 売った価格 −(取得費 + 売るためにかかった費用)。取得費は買ったときの価格から建物の減価償却分を引いた額です。買ったときの価格がわからない場合は、売った価格の5%で計算します。

所有期間(売った年の1月1日時点)税率(所得税・復興特別所得税・住民税)
5年を超える(長期譲渡所得)20.315%
5年以下(短期譲渡所得)39.63%
マイホームで10年を超える6,000万円以下の部分は 14.21%(軽減税率の特例)

利益が出た場合や特例を使う場合は、売った年の翌年2月16日〜3月15日に確定申告をします。

マイホームを売ったときの特例

  • 3,000万円の特別控除:住んでいるおうち(住まなくなってから3年目の年末までを含む)を売った場合、譲渡所得から最高3,000万円を差し引けます。10年超の軽減税率と一緒に使えます。
  • 特定の居住用財産の買換えの特例延長:一定の条件で買い換えた場合、課税を将来に繰り延べられます。2027年12月31日までの売却が対象。
  • 譲渡損失の損益通算・繰越控除延長:買換えや、住宅ローンが残るおうちの売却で損が出た場合、給与などの所得と相殺し、翌年以降3年間繰り越せます。2027年12月31日までの売却が対象。

特例どうしは一緒に使えないものがあり、売却の前年・前々年に使った特例によって使えない場合もあります。

そのほかの特例

  • 相続した空き家の3,000万円特別控除:1981年5月31日以前に建てられた、亡くなった方が一人で住んでいたおうちとその土地を、2027年12月31日までに売った場合など(売却代金1億円以下、耐震リフォームか取り壊しが必要。相続人が3人以上なら1人2,000万円まで)。
  • 低未利用地を売ったときの100万円控除延長:所有期間5年超で、売却代金が800万円以下(市街化区域などの場合。それ以外は500万円以下)の空き地・空き家の土地を売った場合。2028年12月31日までの売却が対象。

相続・贈与

相続した不動産の、税金と手続き

パソコンの画面を指さしながら相談する年配の女性

相続登記と住所変更登記は「義務」です

  • 相続登記(2024年4月1日から義務化):相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。それ以前の相続も対象で、2027年3月31日までに申請が必要です。
  • 住所・氏名の変更登記(2026年4月1日から義務化):引っ越しなどで住所や氏名が変わった日から2年以内に申請が必要です。2026年4月より前の変更も対象で、2028年3月31日までに申請が必要です。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります。

相続税のポイント

  • 基礎控除は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」。遺産の総額がこれ以下なら、相続税はかかりません。
  • 小規模宅地等の特例:亡くなった方の自宅の土地を、配偶者や同居の親族などが相続した場合、330㎡までの部分の評価額を80%減らせます(要件があります)。
  • 相続した不動産を、相続税の申告期限から3年以内に売った場合は、支払った相続税の一部を取得費に加えられる特例があります。

贈与のポイント

  • 暦年贈与の基礎控除は年110万円。2024年以降の贈与は、亡くなる前7年以内の分が相続財産に加算されるよう段階的に延長されています。
  • 相続時精算課税:2,500万円の特別控除に加えて、2024年からは年110万円の基礎控除も使えるようになりました。
  • 住宅を買うための資金の贈与は、住宅取得等資金の非課税(2026年12月31日まで)もご確認ください。

出典・ご注意

このページの情報について

このページは、2026年10月時点の法令や国の公表資料をもとに、わかりやすく要点をまとめたものです。特例には細かい要件があり、すべての条件を載せているわけではありません。実際の申告や手続きの際は、税務署・税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。当社は税務の相談には応じられませんが、提携する専門家をご紹介できます。

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